自分で残業代請求するなら「内容証明」を送って反応を見てみよう!

内容証明で残業代請求する

未払いの残業代を会社に請求する方法、最初に実行するのは会社側との直接交渉です。しかし残業代を払わない会社は貴方との直接交渉で簡単に支払うとは思えません。そのような場合の次の手段が会社に「内容証明」郵便を送付する事です。

内容証明とは何か?

簡単に言うと差し出す書面(内容)を郵便局が証明してくれるということです。貴方が個人的に会社宛に普通の郵便を出しても会社は無視すればいいのですが、内容証明なら重みが違い会社にプレッシャーを掛けることができます。

会社側により多くのプレッシャーを掛けるなら「弁護士名」で内容証明を出せばいいでしょう。会社側は貴方には強く出ますが、法律の専門家(弁護士)には弱いのです。この段階で会社側は残業代を支払うかもしれません。

内容証明の出し方

手紙文3通を郵便局に出します。1通は相手先に送付、1通は郵便局で保管、1通は差出人用になっています。料金は定形25gまでなら¥1252円です。

内容証明の効果は何?

第一の効果は「心理的な圧力」を相手に与えることができ、残業代の支払いに進む場合もあるでしょう。

第二の効果は「時効の中断」です。残業代の請求権は2年で消滅しますので、2年以内に内容証明を送付していれば時効は中断され貴方の残業代の請求権は継続します。

内容証明でも残業代を支払わない場合はどうするの?

厚顔無恥な経営者なら内容証明で残業代を払わない場合も想定すべきです。その場合は労働審判に訴えます。この段階になってくると貴方1人で会社側と戦うのは厳しくなります。

弁護士などの法律の専門家に相談するタイミングです。貴方1人で労働審判をすることも可能ですが、ここはやはり法律の専門家(弁護士)に相談するべきでしょう。

残業代の請求権は2年で消滅!?早めの請求をおすすめします

残業代の時効は2年?

残業代の請求権が消滅するのは2年です。この「2年」が基本ですから、しっかりと頭に入れておきましょう。具体的な話をしましょう。例えば2016年1月25日が給料日ならば、2014年1月25日及びそれ以前の残業代請求はできないと言う事になります。

残業代請求権は2年で時効になる?

2年の時効は従業員側にとって非常に不利なように見えますが、「時効の中断」という手段を行使すると時効の期間を引き延ばすことができます。

簡単な時効中断は「内容証明」郵便を送付する事です。ただし注意する事は内容証明の時効中断は6ケ月しかありません。内容証明を送付して時効の中断があると安心し、たとえば10ケ月間放置すれば時効が成立して残業代請求はできなくなります。

従って内容証明を送付してから6ケ月以内に裁判を起こさないと請求権は継続しないことになりますから注意が必要です。裁判を起こして確定判決が出れば時効は10年に延びます。

会社側に不法行為があれば時効は3年になる?

会社側が従業員に強制的なサービス残業を強いたり、勤務時間を全く管理していないなど不法行為を行っていたと見なされれば、時効は延びて3年となります。

会社を辞めて残業代請求をするにはどうするか?

時効は2年ですから、最終の給料日から遡って2年間の残業代を請求できます。弁護士名の残業代請求の内容証明を会社に送るのが一番効果的かもしれません。話し合いに応じなければ最後は裁判になります。

未払い残業代は勿論、慰謝料も請求できますので弁護士に相談してみましょう。50時間毎月サービス残業をさせられていたなら、例えば50時間×2千円=10万円×23ケ月になり、未払い残業代は約230万円になります。

労働基準監督署は残業代請求の手助けをしてくれるの?

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経営者は会社利益を優先するために経費を減らそうとします。経費の中で最初に目を付けるのが人件費で、真っ先に節約のターゲットになります。人件費と言っても、人員を減らすのは困難ですから残業代を減らすことを考えます。

それは正当な思考であり行動なのですが、時として法律ギリギリのグレーゾンにまで足を踏みいれ従業員の残業代を節約しようとします。

残業代の請求に労働基準監督署を活用することもできます

従業員側からすると残業代は支払ってもらわないと困りますよね。残業代の請求には証拠(残業時間を客観的に証明できる資料)を残しておく事が最も大切になります。日ごろから業務日誌を作成しておけばいざという時に役立ちます。

最初は会社と話し合うことになりますが、経営者は強い立場を利用して、簡単に残業代を払ってはくれません。そのような場合には労働基準監督署に駆け込みましょう。

労働基準監督署はただ単に口頭による状況説明だけで動いてくれませんので残業時間を客観的に証明できる資料を持参して行くことが大切になります。

労働基準監督署から指導や勧告を受けて、それに従う経営者もいますが、したたかな経営者は従おうとしません。

勧告に従わない場合は労働基準法24条違反で当該経営者を罰することはできます。しかしその罪は「罰金30万円以下」になるだけで、残業代を強制的に支払わせることはできません。

労働審判や裁判に訴えることになり弁護士の出番になります

労働基準監督署の指導や勧告に従わない場合には労働審判や通常裁判に持ち込みます。残業代を請求できる証拠資料があれば恐れる事はありませんし、弁護士が付いていますので心強いです。

審判は3日ほどで決着しますが、裁判になるとおおよそ1年はかかります。

みなし残業を悪用するブラック企業には注意が必要

みなし残業とは

働いた時間と仕事の成果がリンクする仕事(職場)なら、みなし残業の制度は必要ありません。例えば工場での物作りは時間と成果は比例します。ところが研究開発や営業職などは時間と成果がリンクしません。

いかに良いアイデアを出すか戦略的に行動するかで、大きく結果(成果)が違ってきます。そのような職場で「みなし残業」の制度が使われています。

見なし残業とは何か?

会社側と従業員の労働契約で、賃金に毎日2時間残業したと「みなし」賃金を決めます。その残業の事を「みなし残業」と言います。1日に2時間分の残業代が賃金にあらかじめ含まれている契約です。

みなし残業を間違って(場合により悪意を持って)理解している経営者や、制度の中身を理解していない従業員がいます。みなし残業の契約だから、いくら残業しても残業代は支払わなくても良い、残業代はもらえないと思いこんでいます。

そういった考え方は間違っていて、例えば、ある日に4時間の残業をしたとします。2時間分は「みなし残業」ですから、残業代の請求はできませんが、残りの2時間分の残業代は請求できます。

見なし残業を悪用するブラック企業には注意しましょう

賃金規定に「みなし残業を」を曖昧にして、従業員を長時間勤務させるブラック企業には注意が必要です。みなし残業をするには、契約書(賃金規定など)に具体的な数字を書いておくべきです。例えば「賃金には1日当たり2時間の残業代を含む」という書き方です。

ところがブラック企業は数字を曖昧にして記載しません。例えば「賃金には残業代を含むものとする」という書き方をします。これでは何時間の残業を含む「みなし残業」なのか分かりません。